• サクソバンクの
    2016年大胆予測

    Saxo Bank presents
    OUTRAGEOUS PREDICTIONS
    for 2016

パラダイムの終焉

最高運用責任者(CIO)スティーン・ヤコブセン

サクソバンクの2016年大胆予測では、皮肉なことに圧倒的な市場コンセンサスに逆行しているという理由で、大胆予測となっています。事実、予測の多くは正常な市場環境(そのようなものがあるとすればですが)であれば、特に大胆とは言えないものばかりです。「リオ五輪がブラジル主導の新興国景気回復を加速」、「ロシアルーブルは16年末までに20%上昇」、「社債市場のメルトダウンの犯人はFRB」という予測は、市場コンセンサスに逆行しているからこそ、大胆な予測であると言えます。

 世界市場は長年にわたって、金融当局が事実上のゼロ金利政策を堅持するために行うフォワードガイダンスに慣らされてきました。その結果、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げを全く経験したことがない世代のトレーダーが存在しています。

間もなく2016年を迎えます。アメリカが利上げサイクルを開始するのに十分な力強い経済回復が始まった2004年からほぼ12年が経ちました。そして、直近の利上げサイクルが終わったのは、ほぼ10年前の2006年6月のことです。

私自身は金融界で25年のキャリアを有しますが、この間、FRBによる利上げサイクルは3回あり、それぞれ1994年、1998年、2004年に始まりました。

多くの市場参加者にとって、新しいパラダイムが始まろうとしていることは確かです。それは、資金の限界費用の上昇、それに伴う市場のボラティリティと不確実性の高まりが起こることを意味しています。

2016年大胆予測にはそうした点を織り込みました。今では恒例となったサクソバンクの大胆予測が、お客様の新年への備えとして有効活用されるとともに、刺激的な議論のきっかけになっていることについて、執筆担当者一同、嬉しく思います。

大胆予測への賛否に関係なく、議論に参加をされることを何よりもお勧めします。サクソバンクが大胆予測を発表するようになってから数年経ちますが、既存の枠や考えにとらわれずに議論し、考えるプロセスを重視するという基本姿勢は変わっていません。

なお、ここで大胆予測がサクソバンクの公式予測ではないことを改めてお断りしておきます。しかし、この10項目の予測は、私たちが予測作成時において、お客様のポートフォリオに重大な影響を及ぼす可能性が高いと判断した重大事を列挙したものです。

重大事を予測する立場から言えば、2015年は「不作」の年でした。ただ、私がこの1年間、世界各地を訪ねてみて、世界市場がある種の行き詰まりに近づいていることは間違いないという確信を抱きました。

現在の世界市場のパラダイムは、2008年の世界金融危機以降に形成されてきました。主要先進国の中央銀行による量的金融緩和やその他の危機対応策はいずれも期待外れに終わり、中国経済は移行期に入り、地政学的緊張に沈静化の兆しは見られません。ほかにも目を離せない状況がいたる所で続いています。

この大胆予測が、皆様にとって2016年における投資の一助となることを祈念しています。もちろん、予測のどれ一つとして現実にならないでほしいというのが、私たちの願いです。しかし、サクソバンクの大胆予測は、ほぼ一貫して間違ってきた市場コンセンサスに比べると、発生する確率が高いものだということを強調しておきます。